イッパイアッテナ的三大美徳

達成感と、焦燥感を抱えたまま2期目が終わろうとしています。

こんにちは、イッパイアッテナ代表の春木です。

2019年、平成最後の月に急遽設立された株式会社イッパイアッテナも、2021年3月で2期目を終了しようとしています。
1期目が完了するときは、まだ必死に進み続けるだけでうしろを振り返る余裕もなかったのですが、2期が終わるこのタイミングで、少しだけ振り返ってみようかと思い立ち、筆をとりました。

まずは、変化について。

1)人数について。
2)売り上げについて。
3)環境について。

この3つの変化を振り返ってみることにします。

◇人数について。

会社を続けていれば、当然創業当時より人数は増えていくことが多いものですが、
イッパイアッテナはその速度が、ぼくが想定していたよりもはるかに早かったです。

創業当時の人数が、ぼくを含めて6名。
2年たった現在、従業員数は20名弱になっています。

ぼくが当初思い描いていた形よりはるかに多いこの人数。今もなお、どんどん人が増えていっている中、
小心者のぼくは日々戦々恐々としながらアクセルを踏み続けています。
そうすることで、新しい未来を描けることを、この2年間で知ることができました。

◇売り上げについて。

1期目の200%以上の売り上げを上げることができ、7年間続けていた前社の最高利益を1期目で越え、最高売り上げを2期目で軽くぶち抜きました。

これはには本当に驚きました。

正直、戦略なんていうものはほとんどなく、とにかくがむしゃらに上へ上へと邁進してきました。
この事実に気が付いたのは最近のことですが、未だに実感が持てずにいます。
これをきちんと成功の方程式として導き出すことが、今後に大きな意味を持つと考え、頭をひねらす毎日です。

◇環境について。

ドッポ武蔵野。吉祥寺の片隅の、1DKのアパートでこぢんまりと再出発したイッパイアッテナは、吉祥寺駅近くにカフェつきの立派なオフィスを構えるに至りました。
2年でここに至れるとは、正直夢にも思いませんでした。
2年で3回社屋を変えました。こんなに目まぐるしく環境が変わることは、人生でもう二度とないかもしれません。

◇次に、達成できたこと。

初期段階でしたかったことは、以下の3つです。

ついてきてくれたメンバーに報いること。
目標を達成すること。
土台を作ること。

まずひとつめ。ついてきてくれたメンバーに報いること。

執行役員の吉富をはじめ、前社からついてきてくれたメンバーには、
本当に感謝してもしきれません。
一生、恩を抱いて生きると思います。
そんな彼ら、彼女らになんとしても報いたい。これは、目標というよりも義務です。

前社であげることができなかったボーナスを、2年連続渡せたことは、本当に嬉しかったです。
また、沖縄リゾートへの社員旅行も、このコロナ禍で2年連続で行うことができました。

心の中にある大きな感謝の気持ちの中で、少しでも報いることができたと自負しています。
これから、今まで以上に、「一緒に来てよかった」と生涯思えるよう、気を抜かずに尽力していきます。

 

ふたつめ。目標を達成すること。

1期目、2期目共に、理想値の最大の目標売上を設定しました。
それを、どちらもギリギリ100%以上達成できたこと。
これは、自分やメンバーの大きな自信になったと思います。
達成し、実現し続けることでしか、自負は生まれません。
この2年間で育まれた自負は、中心メンバーの確かな財産になりました。
 

みっつめ。土台を作ること。

強固な初期メンバーこそいたものの、ぼく自身が描くチーム像に足りないものが、はじめはいくつもありました。
メンバーはそれをがむしゃらな努力で埋め続けていましたが、がむしゃらであるがゆえに、ずっと長くは続かないだろうという予感がありました。
この2年で、人員、実績、体制、すべての土台をそろえることができました。
足場固めは、ある程度完了した、と言えるでしょう。
これからは、チャレンジ。土台をより強固にしつつ、新しい場所を耕しに航海しに行きます。

さいごに、ぼくがこの2年間で感じた、経営をする上での三大美徳についてお話できれば、と思います。

ひとつは、「続けること。」

これは、ぼく自身が経営者人生12年余りで多いに実感していることです。

この12年、優秀な経営者、そうでない経営者、時流にのっている経営者、不遇な経営者、たくさんの経営者と縁を深めました。
その数百人もの経営者と会社を見てきた結論として、成功に重要なのは、優秀さや時流にのる力ではなく、辛くとも継続し続けることができるか、という継続する力だ、ということです。

それは、いわば才能に近いです。どんなに辛くとも、他の道を選ばなかった、選べなかった、そんな人が、経営の才能を持つ人だと言えるのだ、と小規模経営者ながらの実感があります。

チャンスは、不意に来ます。でも、そのチャンスを活かせるかは、これまでどんな積み重ねをしてきたかどうかです。
たとえば、ぼくは起業してすぐにサービスが新聞や朝の情報番組で取り上げられ、各方面からたくさんのお問合せをいただきました。

でも、そのときぼくには何の積み重ねもなかったため、それらを活かせず雑に扱ってしまいました。
たとえば、ぼくは自身を過信した結果大きな成功の1年後に資金がほとんど底をついたこともあります。

そんなとき、先になんの展望も見えませんでしたが、小さく積み重ねてあがき続けることで、新たな道を切り開くことができました。

ほかの方々もそうです。創業当時のまま成功する人ももちろんいますが、多くは、はじめに立ち上げたサービスをどんどん進化させ、成長させ、
ときにはサービス内容や業種まで変えながら続けていって、ようやく答えにたどり着いているんだと、傍から見ていてもわかるほどです。

だから、僕にとっての経営三大美徳のひとつは、「続けること。」です。

次に、これはこの2年間の実感として得たものですが、「よい仕事をすること。」

なにをあたりまえなことを?と思うかもしれません。でも、少なくともぼくにとって、これは目から鱗が落ちるような気づきでした。

人にものを買ってもらうとき、有名になるとき、お金を儲けるとき、みんなクオリティの高さよりもアイデアの新鮮さに目がいきます。

あたりまえのことをあたりまえにやる、ということがあたりまえすぎて、優先順位として後に来てしまうのです。

イッパイアッテナは、ユニークで変わった会社だ、おもしろい会社だ、とおっしゃっていただくことがあります。
たしかに、ユニークさ、随一的であること、個々人が画一化されない強みを持つことを、イッパイアッテナは大事にしています。

そして、その延長線上で、実は、「単純に高水準のものを丁寧に提供すること」が、ユニークで新鮮で、おもしろいことだということに、ぼくは気が付いたのです。

それに気が付いてから、仕事がより楽しくなりました。

よい仕事をして、感謝をされる。感謝をされるとうれしくなって、もっとよい仕事を追求する。それがまた感謝されて…。

単純で強固なスパイラルの完成です。

だから、僕にとっての経営三大美徳のひとつは、「よい仕事をすること。」です。

きっと僕にとっての経営三大美徳のさいごは、「仲良し」です。

ぼくたちは、調和を愛しています。そうして、「空気を読む」ことを結構大事にしています。
ここでいう「空気を読む」というのは、言外にある、すべきこと、すべきでないこと、相手がしてほしいこと、してほしくないこと、を察して、そのようにふるまうことです。

つまり、想像力です。

相手がどう思っているか、どうしたらうれしいのかを想像して、おもんぱかること。
相手が凹んでいるときに、大丈夫だよ、と言ってあげられること。
いやだなぁ、と思うことを、そのままにしないこと。

一生懸命仕事をすることと同じくらい、一生懸命空気を読みあう会社を作ることは、経営においてとても大事なことだと、この2年間の感謝と共に実感しています。

それは、相手を好きになることに似ていて、実はぜんぜん違います。

好きでも嫌いでも、関心があってもなくても、仲良くすることというのは、空気を読む努力をすることで、ひいては、みんなでそういう文化を作っていくことです。

クリエイターとして尖っているだけでは足りない。
尖っていて、かつ、仲良くできる=調和を愛し、空気を読める人を大事にすることが、僕にとっての美徳です。

だから、僕にとっての経営三大美徳のさいごは、「仲良し。」です。

こんなふうに、ぼくはこの2年間でぼく自身の経営の三大美徳に気が付きました。

振り返るのは束の間。挑戦は、まだまだこれからです。

「続けること。」「よい仕事をすること。」「仲良し。」

この三大美徳を胸に、イッパイアッテナでよりよい明日を築けたらよい。

そんなふうに思って、この振り返りを終わりにするとします。