三大美徳について考える

三大美徳、という言葉で連想するものはなにか。

IT業界にそれなりに長くいる人で、WEB制作に関わる人であれば、
それは、怠惰、短期、傲慢である、と答えるでしょう。

これは、プログラマーの三大美徳というもので、
プログラマーに必要な資質をある種ユーモラスに象徴づけた言葉であります。

怠惰(Laziness)
短気(Impatience)
傲慢(Hubris)

Perlの生みの親である「Larry Wall」さんが定義したものだそうです。

Perlというと、ちょっと時代遅れ感のある(Perlエンジニアの方、すみません。)言語ですが、
この言葉には大いに共感できる。

つまり、

◇怠惰

めんどくさがりで、結果何度も同じことをしないように、どうにか効率よくプログラムを書いたり、
同じ質問に何度も答えないように準備したりしないと気が済まない性質。

◇短気

のちに起こりうる問題を放置することにイライラし、先んじて問題が怒らないよう努力せざるを得ない性質。

◇傲慢

自分の書いたコードが素晴らしく保守性も高いものでなければならないと信じ、また、それを実現するべきとする性質。

 

といったところでしょうか。

(私の意訳ですので、厳密には違うニュアンスあるのでしょうが。)

 

ここで重要なのが、それが性質である、ということだと思います。
『性質』と定義づけたのは、それがその人がそうしないと我慢ならない人、
ということを、きっとユーモラスにネガティブな言葉に置き換えたのが、
この三大美徳だと感じたからです。

私はプログラマーではないですが、これには大いに共感できます。
特に、『怠惰』に関しては、自分が常に心掛けていることであり、
大事な資質だと思っています。

めんどうくさがりなので、
同じことがしたくない=しないためにその準備を人一倍頑張る というサイクルが理想的で、
これは1年後、2年後、めんどうくさがりじゃない人といつの間にか仕事のフローや効率性で大きな差を生んでいます。

 

ところで、私が好きな作家に中村 航 という作家がいます。
彼の小説にもしばしば、三大美徳という言葉が登場するのですが、そのうちの2つが、

◇礼儀

◇仲良し

です。

素直で単純な言葉ですが、これが妙にしっくりきます。

 

「礼儀ってのはさ、世界三大美徳のひとつなんだよ」

中村航 『絶対、最強の恋のうた』

 

あと一つは、「感じよくふるまうこと」など作品によって違ってきたりしますが、
それはまだ探し続けているようにも思います。

◇礼儀

◇仲良し

は、私自身もイッパイアッテナ社も特に大事にしていることで、お客さまにも、メンバーにも、礼儀正しく、仲良しでいることが大前提です。
能力が高い、とか経験がある、というのはそのあとに大事なことなのだと、
私は自信の経営者人生の中でほとほと実感しました。

さて、ではイッパイアッテナで、あるいは私が仕事をする上で大事にしたい最後の美徳は、
やはり

◇教養を持つ

であるのかな、と思います。

 

学校で、社会で、学び続けること。
そこからくる心の豊かさは、時に素朴さよりも純粋で力強いものです。

学ぶことをおそろかにせず、直観を補う理屈や理由を持てる人でありたいと願いながら、
今日はおやすみなさい。また来期。