秋のスタンプたくさん大作戦 ~日報にスタンプを送れ~

初めまして、秋のWebディレクターの堀江(9月生まれ)です。

僕たち私たちイッパイアッテナは、毎日のお仕事が終わるタイミングで日報を提出する決まりがあります。

  • その日の作業内容
  • 明日の作業内容
  • 発生した問題(あれば)
  • 所感(あれば)

といった内容を書いて日報チャットに共有してもらっています。
人により書き方が様々で面白いので、僕は読むのも書くのも結構楽しんでいます。特に「所感」の部分には、その人の人となりが出ているようで、読んでいていろいろな気付きがあります。

僕は普段リモートで作業しているので、何かと不足しがちなビタミンや鉄分と同じくらい大事な社員の皆様とのコミュニケーションの場として、毎日欠かさず日報を書くよう努めています。

しかし

最近(2024年10月現在)この日報の提出率が著しく下がっています。人数でいうと2~3人といったところでしょうか。これは会社としては深刻な問題です。

日報を書く気が起きないという社員の気持ちはわかります。そもそも書いたところで読まれているのかわからないので、書いている意義を見出すことができない、という社員の声は今回の問題の本質をついていると思います。

しかし、イッパイアッテナで働く者は入社した初日に「終業時は日報を書くんだよ」と教わっているはずなのです。あの時は毎日欠かさず書いていた日報。家に1秒でも早く帰ることよりも大事であった日報。そんなことを優しく教えてくれた先輩ももはやおらず、それをいいことに完全に日報を舐め腐っているその態度が許せませんね。

日報とは自分のために書くのではなく、人のために書くものです。そこで、こんな施策を考えてみました。
すなわち、

秋のスタンプたくさん大作戦

です。
意味が分からないと思うので、品詞を分解して説明するとこうなります。

:名詞。季節を指す。これを思いついたのが10月だったことを巧みに表現している。
:助詞-格助詞。ここでは体言(秋)が連体修飾語であることを示す。また、筆者が乃木坂の番組(乃木坂工事中)を見ていることを暗にアピールしている。
スタンプ:名詞。ここではチャットワークのコメントにつけられるスタンプを指す。
たくさん:副詞。数がとても多いさまを表す。
大作戦:名詞。今回の企てがあたかも大掛かりなものであるかのような印象を読者にもたらす。

品詞を分解せずに説明すると
社員の書いた日報にたくさんスタンプを押して、みんなが毎日書いてくれるようにしよう」ということです。非常にシンポ―な作戦です。
もしも誰も読んでいないと思っていた日報に対して、ホリエがスタンプを押していたとしたら、
「ほーう、ホリエ見てんのかい。それなら明日も日報書いてやるか。」という風に人は思うはず。

そんなわけで今回の企画が極秘裏に始まりました。
結果はどうなったのでしょうか。
秋のスタンプたくさん大作戦」の日報をまとめましたので、ご覧ください。

10/15(火):作戦開始

本大作戦は10/15(火)に口火を切りました。
チャットワークにはスタンプの種類がたくさんあるのですが、まずは「グッド」スタンプを押していくことにしました。「既読」って感じがしてぴったりだなと思います。たまに上長の中野さんが「グッド」スタンプを送っているのを見たことがあったので、まずはやり方を踏襲してみました。

10/15(火)に僕が日報に押したスタンプ数は3スタンプ、つまり僕以外で3名の方が日報を書いていました。

ちなみに今回の大作戦を実施するにあたり、当然社員の方には何の報告も連絡もしていません。
当然、ヨンデナに記事を載せる許可もいただいておりません。
日報を「社内制作物の1つ」ととらえる善良かつ傲慢な精神があればこそ、本大作戦は進んでおります。
僕のヨンデナを読んでいる社員がどれだけいるかわかりませんが、面食らうといいです。

10/24(木):スタンプが「おめでとう」になる。

日報にスタンプを送るのにも慣れてきたので、「グッド」ボタンではなく他のスタンプも試してみたくなりました。
そこでこの日は「おめでとう」スタンプを送ってみました。無事に一日の勤務が終わり、日報を書いて帰ろうとしたタイミングでの「おめでとう」スタンプというのは、当事者の心情に当意即妙に寄り添った素晴らしい配慮ですね。
ちなみに日報をどんな感じで書いているのかというと、

こんな感じです。(案件や個人情報が特定される箇所はモザイクを入れさせていただきました)

こちらの日報は所感がとても素晴らしいですね。
何が素晴らしいかというとポイントはたくさんありますが、やはり「秋にリンゴを食べておいしかった」というところですね。
秋にリンゴを食べたらそれは当然おいしいのですから。なんだかこちらまでリンゴを食べておいしくなった気分になってしまいます。

そしてよく見てみると「秋」「リンゴ」と季語が2つ入っています。
俳句において、季語が2つ以上ある場合は「季重なり」と呼ばれ避けるべきことです。
しかし「秋のスタンプたくさん大作戦」では、スタンプをたくさん送ることが美徳とされています。スタンプがたくさんあることが望まれる状態なのであれば、その精神は受け継がれ、めぐりめぐって季語にも適用されてしかるべきだということです。そんなわけで、季語はたくさんあればあるほどポイントが高いです。
そんなリンゴよりも激アマな採点で本祭典は進んでゆくのです。

10/24(木)は2スタンプ、つまり僕以外で2名の方が日報を書いていました。
僕が作戦を開始してから、着実に減少の一途をたどっていますね。心が折れそうです。

10/24(木):堀江のスタンプが途絶える。日報の自動化に手を出す。

このごろから僕の日報に対するモチベーションが下がってきました。
どのくらい下がってきたかというと、こんな感じの日報を提出するようになっています。

飽きっぽい僕は、10日経っても効果がまるで感じられない現状を目の当たりにし、日報という制度に見切りをつけ始めました。そしてこの頃から、
「日報を書くのに時間取られるの意味わからん。面倒じゃね。」
という気分になってしまいました。

僕は人生において「報恩、フットワーク、誠実さ、効率化、ユーモア」という5つを意識して生きています。
日報を書いている際に感じる「面倒」という感情は、あながち悪いものでもないと思っています。ファミレスのキッチンでバイトしていたときも、毎日この「面倒」という気分を少しでも和らげるために効率化を目指して試行錯誤を繰り返し、その試行が行き過ぎたため店長に注意をされる、という奮闘を繰り返してきました。しかしそういったミラノ風な日々を経て、一人のキッチンスタッフとして一段階ずつステップアップしていった気がするのです。

日報を面倒だと思った僕は「秋のスタンプたくさん大作戦」から「秋の全自動手間いらず日報大作戦」へと舵を切ることにしました。
品詞で分解してみると

:名詞。季節を指す。これを思いついたのが10月だったことを再び表現している
:助詞-格助詞。ここでは体言(秋)が連体修飾語であることを示す。また、後述の「いらず」とリエゾンして、筆者が忙しさにかまけて乃木坂の番組を見なくなってきたことを暗に示唆している。
全自動:名詞。なぜだか「卵割り機」という造語が浮かび上がってくる。
手間:名詞。「手の間?指の間ならわかるけど手の間ってどこ?」という気分にさせる。
いらず:名詞、もしくは形容詞、助動詞?わかんねえ
日報:いわずもがな
大作戦:これもさっき説明したね。

ということです。つまり「毎日の日報を自動で送信できるシステムを作ろう」ということです。
やり方はGoogleAppScriptを利用し、毎日18:50に日報チャットに日報が送信されるというものです。
ちゃんとその日の日付を取得して、テキストに入れてくれるように設定しています。

この発想は大変画期的だと、大いに盛り上がったのですが、1点大きな失敗がありました。
それは土日にも送信されてしまっていた点です。まあ土日に送られてしまった分は送信取り消ししておけば良いか、どうせ土日なんて誰もチャットワークを見ていないんだし。と思っていましたが、しっかり見られていました。

当然、上長の中野さんにバチ怒られました。
ちょうど日報とは別件でも自動送信のスクリプトを作っていて、そっちでも怒られたということを踏まえて読んでいただくと、なかなか読後感があると思います。あまりにも配慮・誠実さを欠いた行いだったと、今でも反省しています。
そんなわけで「秋の全自動手間いらず日報大作戦」は惜しまれつつもプロジェクト中止を余儀なくされたのでした。

11/8(金):スタンプのモチベーションを取り戻す

寝る間を惜しんで作ったスクリプトが水泡に帰したため、何もやる気が起きなくなりました。
しかし、それでも毎日日報は送られてくるのです。毎日日報を送ってくれている皆様のため、スタンプをたくさん送り付けなければという当初の使命を思い出したホリエは、「秋のスタンプたくさん大作戦」を再開することにしました。

11/8(金)も相変わらず僕を含めて3名しか日報を書いていませんでしたが、数少ない2名に向けてスタンプを送り続けます。最初からそれでよかったのです。

1/7(火):年末年始を機にスタンプが増え始める

そんなわけで年末年始を迎えました。
実は年末に、少しずつスタンプの量が増えつつありました。僕以外の社員の方も、スタンプを送るようになってきたのです。

年末になると「所感」を通して「今年もお世話になりました、来年もよろしくお願いします。」キャンペーンが始まるので、こういった所感に対しては皆さまかなりスタンプで反応をしてくれています。人によっては3スタンプを獲得されている方もしばしば見受けられました。
そんな潮流のまま迎えた新年では、続いて「今年もよろしくお願いします。」キャンペーンが始まるので、やはり反応が良いわけです。

また、日報を書いていなかった人たちも新年になって心を入れ替えたのか少しずつ書き始めるようになりました。
1/8は過去最高の5人の日報が提出されました。なんだか盛り上がってきました。

1/22(水):デザイナーの山田さんが参加

この日から新たにデザイナーの山田さんが加入しました。1/23(水)には過去最高の7人分の日報が提出されました。
最初のころと比べて、2.3倍に増えています。みんなどれだけサボっていたんでしょうか。

さらに、スタンプの数も増えています。
山田さんがなかなかのスタンプ使いで、入社したばかりだというのにいろんな人の日報にスタンプをつけまくっています。
そんな様子を見ているとき、僕はあることに気づきました。
同じスタンプを何個もつけるより、いろんな種類のスタンプがあった方が賑やかじゃん」と。
どういうことかというと

こんな感じで同じスタンプを3人がつけると、数値が3になる程度の変化しかありません。これはこれでよいのです。よいのですが、物足りませんね。
逆に3名とも異なるスタンプを押したときは、圧倒的ににぎやか感があります。

そこで僕はスタンプの使い分けを考えました。最近顕著にスタンプを押してくれる方が

中野さん:「いいね」スタンプ
山田さん:内容によってスタンプを変える

こんな感じでスタンプを使っているので、山田さんの後に「いいね」スタンプ以外を被らないように送れば、ほぼ確実に3種のスタンプを記録することができるのです。これを「新春3種のチーズ牛丼大作戦」と名付けました。もう品詞には分けません。ちなみに僕はすき家だと「わさび山かけ牛丼」が好きです。
こうすることで、日報ににぎやかさが生まれました。

やはり新しいメンバーの加入はありがたいですね。社内に新しい風を吹き込んでくれました。さすが一説には倍率1%と言われる弊社の採用試験を突破してきただけあります。

2/10(月)、2/17(月):ディレクターの西澤さん・増田さんが参加

2月になると、山田さんのほかに新たに2名のディレクターが入社してくれました。
お三方の紹介はメンバーフォトで確認ください。
そんな2月でアツかった日報は2つあります。

1つ目はこちら

僕のこんな何気ない所感に対して、こんな所感が繰り出されました。

いかがでしょうか。完全なるコール&レスポンスですね。僕が「スタンプたくさん大作戦」を初めた当初の目的「社内コミュニケーションの活性化」がなされた素晴らしい日報だと思います。

そして2つ目はこちらです。

こちらの所感に対し、こんなリプがすっ飛んできました。

といったように、所感内での応酬だけでなく、直接日報に反応してくる猛者まで現れました。
あまりに唐突なメッセージに、対応に困ったホリエは周章し、意味のないスタンプをとりあえずたくさん重ねて送ってみました。

何はともあれ、このような日報チャットのやり取りは素晴らしいことですね。サカナクションは僕たち私たちイッパイアッテナに素敵な作業BGMを届けてくれるだけでなく、社内のコミュニケーションの円滑化にまで、影響を与えてくれるみたいです。

以上

こんな感じで「秋のスタンプたくさん大作戦」は一定の成果を上げられたような気がします。これもひとえに日報が提出されない状況に危機感を覚えたホリエ、誰も反応しない日報をひたすら書き続けたホリエ、誰のためかもよくわからないスタンプをひたむきに押し続けたホリエなどの協力があってこそだと思います。

再び社員が日報を軽んじるような事態になるのであれば、第2回「秋のスタンプたくさん大作戦」を実施せざるを得ません。もしかしたら皆様の職場でも、そのような動きが水面下で行われているのかもしれません。
そんな事態にならないためにも、毎日の日報はしっかり書いてご提出されることをオススメいたします。