秋の夜長に。おすすめの本・漫画(短編少女漫画編)

こんにちは、春木です。社内では知られている趣味ですが、僕は本や漫画が大好きです。特にハッピーエンドのものが好きで、幸せなおはなしを読みたくてたまらない日が多々あります。

そんな僕に(ある種お手軽に)幸せ成分を作ってくれるのが、少女漫画です。今日は、そんな少女漫画の中から短くておもしろいとっておきの短編作品をいくつか紹介します。

椎名軽穂「日が暮れても歩いてる」

映画化もされた『君に届け』で有名な著者の短編です。この作家さんは昔から大好きで、短編集もたくさん出しているのですが、どれもとてもかわいい恋の話ばかりです。その中でも特に好きなのが、この『日が暮れても歩いてる』に入っている『十五の春』というお話。

雑なあらすじ

泣き虫の初っちゃんが、無口な上原くんにはずみで告白して付き合いだす。けれど幼くて怖がりの二人はうまく話すこともできなくて…。

心に残った(お気に入り)のセリフ

すき以外は何もなかった それは 十五の春のこと
空は 果てしなく高く 私たちは いつもより近く

ざっくり所感

高校1年生同士の幼い恋愛。たぶん、この二人はいつか別れてしまうでしょう。でも、余計なものがない分、とても純粋で素直な恋愛は胸にくるきれいさを持っています。制服、二人乗りで下校。最高です。

 

増田里穂「フミキリ、君の手、桜道。」

わりと新しめな作家さんのデビュー作。これから長編を出して有名になっていくんじゃないかな、と思っています。表題の『フミキリ 君の手、桜道。』がすごく好きで、たまたまジャケ買いしたのですが、自分にとって大切な一冊です。思春期の女の子の気持ちを書いた作品で、まっすぐで甘酸っぱいお話です。恋愛、というよりは思春期、の甘酸っぱさです。

雑なあらすじ

中学2年生になったばかりの渥美こはくは、自分の身体が大人になっていくことに戸惑っていた。まわりのクラスメートも男女の差や、恋愛を意識してきて落ち着かない。そんな中、変わらないと思っていた男の子・戸谷の様子も変わってきて…。

心に残った(お気に入り)のセリフ

離れてしまう気がするんだ 胸がふくらんだり背が届かなかったり
力の差ができたり 触れられることに苦しくなってしまったり
知らぬ間に

ざっくり所感

僕は思春期の葛藤や鬱屈とした気持ちを、本を読むことによって解決していったと思っています。友人にも恵まれていたと思うし、まわりの環境にも感謝していますが、やっぱり僕の恩師は僕が出会った本たちだと思います。僕は大人で、男だけれど、いまでもものすごくこの主人公の女の子に共感してしまいます。なんだか安心します。

 

菅田うり「キスしてもいいころ」

僕の好きな王道(僕にとって)の少女漫画を描く菅田うりさんの短編集です。いい意味で、安心して読めるきゅんきゅんするシンデレラストーリー(?)が多いです。切なさとか変わったところとかはあまりなく、甘すぎる砂糖菓子のようなお話です。でもいいじゃないですか。好きなんです。これが。一番のおすすめは、『目を閉じてハロー』というお話です。

雑なあらすじ

見たくないものはふさいでしまえ。高校二年生のカオリの最近の日課は、放課後、学校の敷地にある植物園で目隠しをして過ごすことだった。片思いしていた級友と親友が付き合い始めた。二人と一緒にいるのはつらすぎる。そんな中、クラスメートの女子たちとうまくいっていないと逃げ込んできた後輩の男の子と過ごすようになり、カオリは彼の顔を見ないまま、次第に仲良くなっていき…。

心に残った(お気に入り)のセリフ

視界が開けたら あたしが必要なキミと キミが必要なあたしが そこにいた

ざっくり所感

はじめにいったとおり、これぞ少女漫画!という感じです。あまあまな気持ちになります。ファンタジーだけどいいじゃない、素敵な恋だったら。そんな作品です。共学に通いたかった…けれど、男子校だったからこそ、こんなファンタジーのような恋物語を心のどこかで信じられるのかもしれないです。

 

以上、僕がおすすめする3冊短編少女漫画でした。
秋の夜長にたまには少女漫画、いかがでしょう?