2年ほど前から子どもと接する機会がそれまでの100倍ぐらいに増え、元々好きだった絵本や児童書を読む機会も習慣と呼べるほどに定着しました。絵本や児童書は子どもに読ませるもの、子どもが読むもの、そう考えている人も多いと思います。でもそれはもったいない、です。言葉を尽くした分厚い小説よりも、絵本の短い一説が心に刺さることがあります。絵本も児童書も「子どもでも読める」だけなのです。
ぜひ、読んでみていただきたい、なと!
とはいえ急に言われても…と思うのでわたしが大人になってから読んでびっくりした本をいくつかご紹介したいと思います。
「いまとかあしたとかさっきとかむかしとか」
ごく最近読んで衝撃を受けたお話です。「100万回生きた猫」の作者佐野洋子さんの現代童話、短い短いお話です。子どものなんでなんで?から始まってどんどん概念が崩れていく心象世界。
いまとかあしたとかさっきとかむかしとか
こことかそことかそっちとかむこうとか
そういうものがない世界にたどり着いたとき女の子は。。。
もう哲学です。
佐野洋子さんは鬼才だなと思いました。
こんなの子どもが読んだらどうなっちゃうんだろうと心配になっちゃうレベル。
「土神と狐」
宮沢賢治です。
これは…児童向けなのかどうか…。
嵐のようなお話です。一気に読んで呆然としましょう。好きな人の為に嘘をついてかっこよく見せようとしてしまう狐と、狐への嫉妬、自分への嫌悪感で苦しむ土神のお話。善も悪も割り切れない、正直、精神的にきついお話です。
絵本では、組み木絵作家の中村道雄さんのものと、大畑いくのさんのものがあります。中野さんの方は土神の切なさが、大畑さんの方は土神のやり切れない狂気がより感じられます。
「カガカガ」
これはちょっと口で説明できないのでとにかく読んで欲しい強烈な一冊。
トラウマ絵本としては有名みたいですね。子どもの頃に読もうが大人になってから読もうが受ける衝撃はそう変わらないはず。神話なので仕方ないんですが、とにかく全てが無茶苦茶で全くついていけません。とにかくすごいものを読んでしまったなと思うこと請け合い。
以上です。
どれもさくりと読めるのでどうぞです。