【12月】おすすめの一冊

月ごとの、小説や詩のおすすめの一冊をご紹介していきます。今回は12月です。クリスマスシーズンですね。

おすすめの小説

O・ヘンリー。賢者の贈り物最後の一葉が有名ですね。新潮文庫から3冊出ています。O・ヘンリーは、実際に冬の話が多いのか、12月、クリスマスごろのイメージが強いです。お気に入りはベタに賢者の贈り物です。

あらすじ

デラはおんぼろカウチに身を投げて泣いていた。明日はクリスマスというのに手元にはわずか1ドル87セント。これでは愛する夫ジムに何の贈りものもできない。デラは苦肉の策を思いつき実行するが、ジムもまた、妻のために一大決心をしていた――。

夫は宝物の時計を売って美しい櫛を、妻は宝物の自分の髪を売って時計に合う金の鎖を贈りあう、というお話ですね。有名なので、読んだことはないけれど知っている人は多いかも。この本、いろんな方が翻訳されているんですが、個人的には最後の蛇足のような説明が好きです。翻訳する人によって、個性が出る箇所かな、と思っています。

僕なりに書くと…(翻訳ではなく意訳ですが。)

彼らは、彼らの宝物をお互いのために台無しにしてしまいました。
みんな、彼らのことを愚かだと笑うでしょうか? いいえ、彼らこそ、本当に賢いのです。彼らの贈り物こそ、この世で最も尊く賢い贈り物なのです。

こんな感じでしょうか。
なんかこう、念入りに彼らは正しい!ということを伝えようとしている熱心さが僕は好きです。

クリスマスに読むとほっこりとしたよい気分になること請け合いです。それでは、2017年もあとわずかですが、よいお年を。