【考察】こたえの在り処

実は最近私がイッパイアッテナに参画する前の会社さんからお仕事のご相談をいただく機会があり(本当にありがたい)、色々と思い出すことがあって…。

イッパイアッテナにいる前、業務が違えどディレクションという立場の仕事には変わりはありませんでしたが、その内容は大きく違うものでした。色々思い出してみると、その時と今とでは、業務において求められることが違うんだなと、しみじみ思う所があり、ちょっと今日はそのことを思い返すとともに考察してみたいと思います。

組織規模

先ず大きく違ったのは関係する関係者の規模感です。前職ではビッククライアント一社に対して、総勢30人近くの関係者が動き、その中でのディレクションという業務でした。また関係する会社も撮影やデザイン、校正と外部の方々だったので、今とは大きく違います。イッパイアッテナでは動画の撮影など外部の方に協力をあおぐこともありますが、基本的に営業・ディレクション・デザイナー・エンジニアが一人ずつでチームを組んで動くことが多く、最小単位でプロジェクトに臨むことがほとんどです。

こたえの在り処

向かうべきゴール

かつての職場では新規の仕事は基本なく同一のクライアントに対し対応していく毎日でした。すでにクライアントの関係が築かれているため、そこには蓄積されている方法論があり、向かうべきゴールも比較的明確であったといえます。もちろん全ての案件が同一なわけではないですし、それに伴い求められるものも違ったわけですが、そうであっても向かうべきゴールは朧気ながら想像できたという印象です。ですので、その職場においては目指すべきゴールに向かい、各々が求められた業務をいかに効率的に生産性を上げて対応するか、という要素が強かったように思います。マイナス的な意味ではなく大きな歯車の中の1つとして、より良く機能することが求められていたように思います。

それと比較すると現在の仕事は、先ず多くのお仕事が新規であるため、プロジェクトの開始フェーズにおいては目的はあっても明確なゴールはなく、お客さまの要望を聞きながら「ゴール自体を模索する」というが求められることが強いように思います。また、ゴール自体がプロジェクトにより揺れ動くことが多い分、自分が果たすべき役割についても柔軟さが求められます。

こたえのある・なし

わたしがイッパイアッテナに参画した当初一番戸惑いを覚えたのは上記のゴールと役割が、すでに在るか無いかということだったと、今振り返ってみると思います。「すでにそこに、こたえがあるのか・ないのか」。これは、どちらが良い悪いということではなく、2つの環境で働いてみて見えてきた働き方の純粋な違いです。「ある」場合、その枠組みから離れられない苦しみがあり、「ない」場合、それを生み出す苦しみがあります。でも最近、両方の苦しみを味わってみたからこそ、見える双方の良さを噛み締められるようになってきたのではないか、自分への期待も込めて思うのです。少なからず苦しみを経て得た経験を活かすことができる。今回前の職場の方々と働くご縁をいただいたので、その経験を活かし、少しでも成長した姿を見せる。それが恩返しだと思っています。