弁天湯の思い出

吉祥寺には二つの銭湯があります。(詳しくはこちらの記事で紹介されています!)
その内のひとつ、「弁天湯」が年内いっぱいで休業するという衝撃のニュースが飛び込んできました。設備の老朽化などが理由のようですが、吉祥寺の住民にとってはかなりショック…。
80年以上も営業されている老舗銭湯ですが、ただの銭湯ではなくライブをやったり寄席をやっていたり、一風変わったチャレンジをするとてもおもしろい銭湯でした。

今回は吉祥寺にはこんな素敵な銭湯があったんだよという記録も兼ねて、思い出を少し綴りたいと思います。

ライブの思い出

「風呂ロック」というイベントを知っていますか?
なんと銭湯の浴場を丸ごと会場にしてしまい、ライブイベントをする企画です。2005年にスタートし様々な有名アーティストがライブをしました。

『風呂ロック』の会場となる銭湯「弁天湯」は、昭和21年に開業した吉祥寺の老舗銭湯。実際の銭湯内部に簡素なステージと観客席を作り行われる『風呂ロック』は、とにかくステージと客席の距離が異常に近く、銭湯の壁に描かれた富士山をバックにアーティストがライブを行う。これまでに、曽我部恵一、峯田和伸(銀杏BOYZ)、向井秀徳、遠藤賢司、大友良英、トクマルシューゴなどが出演している。
rockin’on.com 「『風呂ロック』向井、ジム・オルークら出演」より引用

私が特に思い出に残っているのは2011年のUAのライブ。ライブステージは壁の富士山の絵の真前。男湯と女湯の境はいつもより低くなっていて、そこに皆体育座りでぎゅうぎゅうに。明るい浴場、高い天井、目の前にUA!異空間すぎて今でも鮮烈に焼き付いている光景です。UAは元々大好きでしたが、あんなに近くで歌を聞くのは初めてで感動でした。演者と観客の距離がものすごく近いので一体感もすごい!
「風呂ロック」は非日常を味わえる素晴らしいイベントで、永久に続いて欲しかったなと今でも思います。

銭湯の思い出

お風呂はひとりで行くのが好きです。
そんな私ですが過去一度だけ人と行ったことがあります。それはディレクター菊地&矢田。3人で澤乃井に遊びに行った帰り、雨が降って疲れたのと、その後のお店の予約まで時間があったので「そうだ銭湯に行こう!」となりました。そんなことでもなければ人と銭湯に行く機会もないのでとてもよい思い出です。
よく考えれば私が銭湯に行くのはもっぱら旅先なので、東京で行く銭湯は弁天湯が唯一だったかもしれません。休業ほんとに残念です。

BARの思い出

忘れられない、と言えば弁天湯にあった小さなバーです。銭湯の入り口横に6人も入ればいっぱいになってしまいそうなカウンターだけの小さな立ち飲みバーがありました。銭湯に入った帰りや、銭湯に入らなくてもこのバーを目的によく通ったものでした。営業期間が短かったので記憶があまり定かでなく、調べてみたらこんな記事を発見。そうだそうだ、ダバダという名前だった…!もう10年以上前になるんですね、時が経つのは早い…。
吉祥寺の銭湯の横に立ち飲みバー-「風呂ロック」再開と連動
ここで金魚という焼酎の飲み方を初めて知りました。焼酎に大葉と唐辛子を入れてお湯をいれるだけなのですが、大葉を水草に見立て、赤い唐辛子がまるで金魚が泳いでいるように見えるという粋なお酒です。徐々に唐辛子が溶けていき少しだけピリ辛で体が温まります。dabadaは座ったすぐ後ろが全面ガラス戸なので冬場はとっても寒い、寒い日にこの金魚を飲むのが最高でした。

最後に

「弁天湯」休業本当に悲しいですね…。
いろんなかけがえのない思い出をありがとうございました。
叶うなら営業再開、風呂ロック再開、バー再開して欲しいなと思いつつ…。