すべてはノートからはじまる

最近読んだ倉下忠憲さんの本「すべてはノートからはじまる」が非常に刺激的だったので、今回はそちらの紹介をしたいと思います。

すべてはノートからはじまる あなたの人生をひらく記録術 (星海社 e-SHINSHO) 倉下忠憲

ただのハック本ではない

こちらの本、一見よくあるビジネスハック系の内容と思いきや、そうではなく、人間の脳の構造において、ノートがどのような役割を果たしてきたか、またノートという記録装置(テクノロジー)を発明することで、いかに社会が発展したかという所まで踏み込んだ、非常に奥行きのある本となっています。

そのため、この本における「ノート」の定義は広く、人間が記録を扱うための道具すべてを「ノート」としています。ですので、いわゆる我々がノートと聞いて思い浮かべるノート帳に限らず、手帳や情報カード、書籍やブログ、SNS等も含める形で書かれています。

古い脳と新しい脳

また、脳の仕組みや作用についても言及していて、複雑な脳の仕組みを、よく用いられる二項対立のモデルで語っています。

  • 進化的に古い部分、直感や感情、本能と呼ばれる機能を担当し、スピーディーに反応を返す領域
  • 進化的に新しい部分、論理、理性、分析、そして言語という、人間が「知性」と呼ぶ機能を主に担当する領域

そして、当然ですが、上記は共存し、この二つがときに牽制し、ときに協調しながら一つのシステムを紡ぎ出しています。

そしてノートは、この新しい脳の領域と密接な結び付きがあり、そういった意味で人類はノート共に発展してきたと。

未知のものに有効なノート

私がこの本で最も刺激を受けたのは以下の点で、古い脳は本能的・直感的であるがゆえにスピーディに反応することができますが、即時的な反応を返す上で「パターン」を利用しているので既知のものに強い半面、未知のものには弱い性質を持つという指摘です。

これは、非常に腹落ちのする指摘で、ここの所仕事上でも強く感じる所でした。

仕事において強く悩んでいる時というのは、往々にして今まで対処したことが無い課題が降りかかっている時だと思うのですが、そういった時を思い返してみると、悩んでいる最中は自分の頭の中で悶々と思考をめぐらし「これじゃできない・ムリだ」と今までのパターンの中で考えていることが多いように思います。

そんな時に有効なのが「ノート」です。できない・ムリだと思った事項をノートに吐き出し、そもそもの前提や目指すべきゴールを書きながら思考を重ねていくと、不思議と解決への糸口が見つかることが多い。人が今までの慣習から離れ、変わろうとする時、ノートというのは大きく寄与すると実感を持って感じる所です。