上野の都美術館で開催されている「ポンピドゥー・センター傑作展」に行ってきました。
世界屈指の近代美術コレクションを誇るパリのポンピドゥー・センターは来年開館40年を迎えるとのこと。
今回はその所蔵品を通じてフランス20世紀美術の粋を堪能できるというものでした。
今回の企画がユニークだったのはフォービズムが台頭してくる1906から、ポンピドゥー・センター開館の1977年までの70年を「1年ごとに1作品」という、ある種の縛りを用いて展示されていた点。しかも同じ作家が繰り返されることはありません。
企画展の趣旨にもよりますが、一人の作家を中心としたり、「~主義」や「~イズム」という形で区切った展示が多いなかで上記の企画はとても新鮮で、いろいろと刺激を受けるものがありました。
年代ごとにならべてみると、やはりある種の潮流のようなものが見え、当然ながらアートというものが過去という時間との連続の中で表出してくるものなのだなということがまざまざと感じることができました。
そして、そういった時間の流れにありつつも、心を打つ作品というのは、どこかそういった時間的制約からも離れ、ある種の普遍性を持っている(今みても”新しい”)ことにも感動しました。
時間の連続といえば
これは至って私的な感想でもあるのですが
今回観た作品のうちいくつかは、過去の展示会にて観たことのある作品もあり
なかには、その当時とても感動して30分くらい同じ作品の前で居座り続けたというような作品もあったのですが
先日久しぶりに出会った作品が、その時の受け取り方とは違った感覚が自然と生まれたのが面白かったです。
僕自身にも時間の経過があり、感じ方も変化している部分がある。
その当時の感動を味わえない自分に少しがっかりする瞬間もあれば、
その時以上に感動する作品などもあり(ジャコメッティはやはり素晴らしかった)、その点も非常に興味深く感じることができました。
「時間」という企画展の趣旨に触発されたのかもしれませんね。
上記の展示は9月22日まで行われているみたいです。
ユニークな展示でおすすめですよ。興味を持った方はぜひ。