珈琲を語ってみるとかっこわるい。

悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように潔く、恋のように甘い

タレーラン

 

珈琲が好きです。それも、自宅やカフェで飲む珈琲ではなく、いわゆる「純喫茶」と呼ばれるような喫茶店の珈琲に恋をしています。

布フィルターで抽出する珈琲を「ネルドリップ」と呼びます。
静かな店内で、少しづつ珈琲が落ちていきます。
たっぷりと5分程度の時間をかけて、1杯の珈琲が出来上がります。

茶器を楽しむのもよいでしょう。
ロイヤルコペンハーゲンやウェッジウッドなど、美しい茶器は珈琲との時間を一層楽しくさせます。

珈琲にはやはり本が似合います。読書と一番相性のよい飲み物は珈琲だと主張しても、大半の人は納得してくれるのではないでしょうか?

珈琲を楽しむのに一番適しているのは、平日の昼下がりです。できれば天気は雨がよい。
雨音はかえって店内を静かに厳かにします。

そうさ恋ってのはコーヒーに似てる
新しいものはいい香りがする
でも古いものは君の胃袋を痛めつける
そう恋ってのはコーヒーに似てる
薄いものは君を悲しくさせる
でもあまり濃すぎるものは君を眠らせちゃくれない

「こいコーヒー」より

 

恋人と珈琲を飲むのもよいでしょう。
ジャズやクラシックが流れる店内で、ふたりは並んで腰かけます。
何も話していないのに、相手のことが何もかもわかった気になるのは、まさしく珈琲のせいです。

友人との珈琲は避けたほうがよいでしょう。
たばこをふかしながら仕事の話をし始めるのがオチなので、いっそ居酒屋にでも行ったほうがよろしい。
夜の珈琲は控えめに。
眠れなくなってしまうよいまのぼくのように。