“ふつうじゃない”がふつうにある
“ふつうじゃない”がふつうにある

尾崎 真由おざき まゆ

涓滴岩を穿つ

ふつうの生涯を送ってきました

何もしないことが私の幸せ

ふつうの生涯を送ってきました。

わたしは昔から怠惰な人間で、何もしないことが幸せだと思って生きてきました。できるだけ何もしない時間を長くしたい。幼少期からそう思っていたので、人よりギリギリまで何もしない人生を送っていました。朝起きる時は3度寝するし、夏休みの宿題は絶対に8月31日の夜中からとりかかるし、期末テストの勉強は前日から始めていたし。全てギリギリになってから、さすがにまずい…と必死で頑張るようなことを続けていました。そんな風にずっと過ごしていたのですが、意外と最後はなんとかなっていました。3度寝しても9割9分チャイムと同時に着席できるし、夏休みの宿題は夜中から頑張れば朝までに間に合ったし、高校のテストで悪い点を取り続け留年しかけたけど、卒業も大学進学もできたし。人生で大きな失敗はなく、最後には「なんとかなる」ことをいいことに、それまではできるだけ何もしない人生を送っていました。それが自分の普通で、自分にとって幸せなことだと思っていました。

人生はなんとかならないと知る

大学4年生になり、就活の時期がやってきたときにわたしの「なんとかなる」は変わりました。今までと同じように直前まで就活準備など何にもせずにいました。さあもう直ぐエントリーシートの募集が始まる、エントリーシートを書こう!そう思って書き始めた時、私は愕然としました。そこにある「今まで頑張ったこと」「自分の長所」「自己PR」…いままでギリギリのその場凌ぎでなんとかしてきた私には、今までの人生で積み上げてきたものも、自分に出来ることもなく、空っぽな人間であることに気が付きました。就活という避けては通れない、自分を振り返るタイミングになって初めてそのことに気がついたのです。

なんだかんだでご縁があり普通の企業に入社はできたのですが、一度空っぽな自分に気がついてしまった私は、「このままずっと空っぽのままで生きていたくない」と思うようになりました。私は自分ができることが増え、成長できることを探そうと考えました。そんな時に丁度目にとまったのがWebデザインスクールの広告です。わたしはそのWebデザインスクールに入り、その後イッパイアッテナにディレクター補佐として入社しました。

尾崎 真由 尾崎 真由

仕事との向き合い方。仕事のこだわりなど

私はイッパイアッテナに入社した時、まだからっぽなままでした。スクールで勉強はしたけれど、スクールで学んだ事だけでは仕事はまったくできませんでした。それだけに留まらず、Webの知識が必要ないことも上手くできませんでした。例えば、採用の手伝いや健康診断の申し込み、書類の整理などいろいろなことを任せていただいていたのですが、時間はかかるし、わからないことだらけ…。何も上手くできなくて、自分に失望する日々。大した仕事を任されている訳でも無いのに、とても辛く感じていました。
しかしあるとき、ふと自分がWebの勉強を始めた理由、この会社に入った理由を思い出しました。わたしは空っぽの自分が嫌で、それを変えたいと思ってここにいるのです。
ここで逃げてしまっては、また同じことの繰り返しになってしまう。そこから私は自分の考えを改めました。どんな仕事でも丁寧に行うこと、作業としてこなすのではなく考え理解をして自分に落とし込んでいくこと、できなくても最後まで諦めないこと。何もかも今までのその場凌ぎだった自分とは違うものです。普通の人にとっては当たり前かもしれないけど、私にとっては当たり前ではなかったことを私はするようになりました。そうして気持ちを新たに仕事をしていくうちに、一つずつ仕事ができるようになりました。そして、仕事が一つできるようになると、そこから枝分かれしていくようにどんどんできることが増えていきました。一つの仕事が、経験として自分に蓄積されて、別の仕事をする時にその経験を引き出して仕事ができる、そしてまた経験が自分に蓄積されていく。一見Webに関係ない仕事に関してもそうです。例えば採用や書類の整理でも、必ずその経験が他のことにいきていくんだと気がつきました。
私はこの会社に入って、いろいろな業務に取り組む中で、どんなことであってもコツコツ諦めずに正面から向き合い、取り組むことで、自分の中に経験としてたまっていくのだと気がつきました。これは、私が嫌だった「空っぽな自分」の穴をどんどん埋めていくことなのではないかと思います。これからも仕事に向き合い続けて、自分の中に経験をためていきたいと思います。

涓滴岩を穿つ

私は、20年以上何もせずぐたぐたすることを幸せと思っていました。しかし、意外と私の幸せは何もしないことでは無い事に気が付きました。一つ一つの物事に向き合い、努力をする。そうして自分の中にたまっていった経験から得られるものや、そこから成し遂げられることの方がはるかに幸せだったのです。まだまだ私の経験は浅いですが、これから1ヶ月、1年、10年と経験を積み重ねることでより大きなことを成し遂げたいと思います。

2023年2月15日
尾崎 真由

尾崎 真由

Profile

尾崎 真由

尾崎 真由

ディレクター

尾崎真由(おざき まゆ) 1996年10月18日生まれ。武蔵大学卒業。ディレクター。新卒の会社を退職後、Webスクールに通いつつ、ガソリンスタンドで働く。イッパイ入社後も、トラックの方に走り出せるようスウェット等のラフな服装で出社。たまにちゃんとした服装で行くと二度見される。

“ふつうじゃない”がふつうにある